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第82話 ソフィアを討ち取れ ~ゼドサイド~

Author: 光命
last update Huling Na-update: 2025-05-31 19:35:22

ソフィアとマリーが復活したとの知らせを受けてから、思いのほか時間がたってしまった。

早く戻ってくるように指示したはずのメフィストがようやく戻ってくるようだ。

その間に封印した武器を探させているが、こちらも成果が出ていないようだ。

どうやら封印した後、しばらくはこの城にあったようだが、その後は管理していなかったらしい。

本当に杜撰というか脇が甘いと言うか……

どこへ行ったかわからないとの報告だったため、叱責して方々を捜索するように指示した。

いちいち余が命令しないと動けないのは困る。

もう少し考えて動いて欲しいものだ。

あとは倒せるかどうかは別として……

ソフィア、マリーを倒すべく、付近にいる軍には通達をだした。

そいつらからも連絡がないってことは、返り討ちにでもあっているのだろう。

どいつもこいつも使えない奴らばかりだ。

そんなことを考えていると、近衛兵の一人が玉座の間に入ってきた。

「ゼド様、メフィスト様がお帰りになられました」

「うむ、分かった。

 こちらに連れてこい」

近衛兵は部屋を出ていった。

その後に黒のロングコートに黒スーツの出立のスラっとした男が入ってきた。

こいつがメフィストだ。

「ゼド様、お元気で何よりです。

 緊急の知らせとのことでしたので、キリがいいところで戻ってきました」

「メフィスト、ご苦労だった。

 だが、遅い。

 遅いぞ。

 至急だと伝えたはずだ。

 キリがいい悪いは関係ない。

 余が帰ってこいっていたのだから、すぐに帰ってこい」

あまりにも帰還が遅いので、叱責をする。

メフィストは叱責を受けているにも関わらず、喜びを浮かべたような顔をする。

「大変申し訳ございません、ゼド様。

 この失態は、次の任務で必ずしや、挽回いたします」

そう言いながらメフィストは膝をつき頭を下げる。

「次はないぞ。

 しかと心得よ」

「ハッ」

こいつも返事だけはいい。

成果は出してくれるし、余の言うことは聞くのでそばに置いているが……

もっと余が満足する成果を出して貰いたいものだ。

「ところで、私を呼び出したのは、いかなるご用件でしょうか?」

「お前、ソフィアは知っているか?」

「はい。存じ上げています。

 先代の魔王で、ゼド様が封印した奴です」

「そのソフィアが復活したとの知らせを受けた。

 マリーも一緒だ」

「あのゼド様が綿密に練られた完璧な計画で封印を
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